「スローアクター」
大岩おおいわ雄典ゆうすけ個展こてん

2019年2月9日（土） ― 3月2日（土）
12:00-19:00
月曜休廊（ただし、2月11日（祝）は開廊）
駒込倉庫 Komagome SOKO
〒170-0003 東京都豊島区駒込2丁目14−2

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大岩おおいわは2017年ねんの第だい4回かいCAF賞しょう海外かいがい渡航費とこうひ授与賞じゅよしょう授賞じゅしょうをはじめ、日本にほんのコンテンポラリーアートシーンで注目ちゅうもくを集あつめている作家さっかです。大岩はこれまで、映像えいぞう、レディメイド、ペイント、テキストなど様々さまざまな媒体ばいたいを用もちいたインスタレーションを発表はっぴょうしてきました。

映像やインスタレーションの形式けいしきに、物語論ものがたりろんや言語学げんごがく、ゲーム研究けんきゅうへの見識けんしき、また時間じかんにかんする固有こゆうの哲学的てつがくてき視点してんを導入どうにゅうしてつくられる大岩の作品は、美術びじゅつとしての同時代性どうじだいせいだけでなく、哲学思想しそうや文学ぶんがくにも通つうずる射程しゃていをもち、同世代どうせだいの作家のなかで特異とくいな位置いちにあります。

本展ほんてんは、大岩のキャリアのなかでは最大さいだいの規模きぼをもち、二階建にかいだての建物たてもの全体ぜんたいを活用かつようして構成こうせいされています。「水みず」と「落下らっか」というキーワードで、個人こじんの身体しんたいと美術史びじゅつしの記憶きおくとを結むすびつけながら、〈時間〉と〈物語〉を人ひとが感かんじ取とる機微きびんをめぐって、作品は展開てんかいされます。

大岩の作品展示てんじに加くわえ、建築家けんちくか・奥泉おくいずみ理佐子りさこが会場かいじょう構成に介入かいにゅうすることで、展覧会てんらんかいは成立せいりつさせられます。奥泉も大岩と同様どうように多おおくの言葉ことばを用いますが、奥泉のそれは、光ひかりや距離きょりなど非ひ物質的ひぶっしつてきな要素ようそと、建築の物質的で実体的じったいてきな要素とを結びつけ、認知にんち空間くうかんを構築こうちくしていくことを特徴とくちょうにもちます。

企画きかく構成は、建築や美術の制作せいさく・理論りろん研究者けんきゅうしゃとして活動かつどうしている砂山すなやま太一たいちが担当たんとうします。砂山は、これまでに情報化じょうほうか以後いごの情報と物質のあり方かたに言及げんきゅうする展示企画をおこなってきました。

大岩の作品態度たいどがそうであるように、本展は大岩の作品を契機けいきとしながら、空間設計せっけい、トークイベントやアーカイブ企画など、多くの分岐点ぶんきてんを設置せっちし、展覧会自体じたいにあらゆる情報の経路けいろを作つくり出だすことを目的もくてきとします。

Press release (PDF/3MB) Portfolio (PDF/25.9MB)

大岩おおいわ雄典ゆうすけ
1993年生うまれ。美術家びじゅつか。東京藝術大学とうきょうげいじゅつだいがく大学院だいがくいん修士しゅうし課程かていに在籍ざいせき。家具かぐや詐欺さぎ、口伝くでん、推理すいりなどから着想ちゃくそうを得えつつ、空間と物語のフォームの可能性かのうせいについて検討けんとうしている。 これまで行おこなった展示に「わたしはこれらを展示できてうれしいし、あなたはこれらを見みてうれしく、これらは展示されてうれしい」（トーキョーワンダーサイト渋谷しぶや、2015）、「Surfin’」（会場非公開ひこうかい、2017）、「理想りそうの収納しゅうのう」（東京藝術大学、2017)、「明あかるい水槽すいそう」(BLOCK HOUSE、2018)。主おもな受賞じゅしょうに東京藝術大学平山ひらやま郁夫いくお奨学金しょうがくきん、第4回CAF賞海外渡航費授与。

奥泉おくいずみ理佐子りさこ
1994年東京生まれ。幼少ようしょうよりクラシックバレエ、少林寺しょうりんじ拳法けんぽう、演劇えんげきなど身体表現ひょうげんに触ふれたのち、建築を学まなびはじめる。武蔵野美術大学むさしのびじゅつだいがく造形ぞうけい学部がくぶ建築学科がっか菊地きくち宏ひろし研究室けんきゅうしつ卒業そつぎょう、東京藝術大学大学院美術研究科建築設計中山なかやま英之ひでゆき研究室に在籍。半年間はんとしかんのフィンランド・アアルト大学留学りゅうがくを経へて、2018年2月がつに帰国きこく。建築を主軸しゅじくとした制作を通つうじて、人の知覚ちかくと身体の位置、空間内くうかんないの物体や光の関係かんけいにより生まれる空間認識にんしきの在あり方を研究し、効果的こうかてきな設計の手法しゅほうを生み出すことを目指めざしている。主な作品に「dégager」(2017)、「A-A'」(2016)。

砂山すなやま太一たいち
1980年京都きょうと生まれ。建築・美術研究。京都市立芸術大学きょうとしりつげいじゅつだいがく美術学部総合そうごう芸術学げいじゅつがく専攻せんこう芸術学研究室しつ特任とくにん講師こうし。情報性・物質性を切きり口くちとした、設計製作せいさく、展覧会企画、美術批評ひひょうを手てがける。

メディアアートやゲーム研究、映像批評などの専門家せんもんかと大岩雄典とのトークイベントを予定よていしています。

「re・だんだん・seeリダンダンシー：一望いちぼうできないものの設計と批評」
2019年2月11日（祝） 17:00-
登壇者とうだんしゃ :
福尾ふくお匠たくみ（哲学研究・批評）
奥泉理佐子（本展会場設計）
大岩雄典

アーティストトーク「スローアクターのつくりかた」
2019年2月24日（日） 14:30-16:30
登壇者 :
大岩雄典（本展アーティスト）
聞き手 :
奥泉理佐子（本展会場設計）
砂山太一（本展企画構成）

「階レベルあげ：ゲームとインスタレーションの時空間じくうかん」
2019年2月24日（日） 17:00-
登壇者 :
谷口たにぐち暁彦あきひこ（アーティスト）
松永まつなが伸司しんじ（ゲーム研究・美学びがく）
大岩雄典

各回かくかい入場料にゅうじょうりょう : 1000円えん（ワンドリンク付つき）
＊「スローアクターのつくりかた」は無料むりょう