Euske Oiwa and Taichi Sunayama, Chill
2021, installation
Installation: Euske Oiwa and Taichi Sunayama
Text and Movie Direction: Euske Oiwa
Miniature Structure: Taichi Sunayama
Curtain: Yuki Tsutsumi
Find-the-difference: Sae Yuda
Postlethwaite Portrait Animation: Yuu Yamamoto
Intermission Music: Yoshiki Masuda
階段を降りて部屋に入る。薄暗く、見えづらい。
照明は、中央に弱く光る白い電球と、投影機の光だけ。
L字型部屋、その長辺部分に沿って、部屋を3つに分けるように半透明のスクリーンが2枚掛かっている。2枚の間隔は7mほど、壁まではどちらも4mほどで、両壁際には幅2mほどの、アルミのベンチがある。
投影機は2台とも、部屋の中央、つまり2枚のスクリーンのちょうど中間の位置に、天井から吊られている。電球もその近くだ。
そして、アルミフレームと何か白い素材で囲まれた構造体が、奥側のスクリーンに半ば突っ込んでいる。
近づくと、白い素材は紙だとわかる。アルミフレームで組まれた枠の、腰の高さあたりに、紙で造られた箱は載っている。
上辺には3台の小型カメラが、内側を覗き込むように設置されている。また把手が2つ、フレームに据え付けられている。
フレーム下部、床に接する部分にはキャスターがついていて、把手を押し引きすれば、この構造全体が動きそうに見える。
紙の箱には天面がなく空いている。内側を覗き込むと、黒い底面、L字型の構造、そしてシャッターやドア、金属質のベンチ、ソケット口が再現されている。
これは模型だ。この展示室の。
模型の突っ込んだスクリーンに本来投影されているはずの映像が、一部、その内壁に映って、模型の中のベンチを照らし出している。
2枚のスクリーンは、どちらも中央に細いスリットが入っている。模型の突っ込んでいるほうのスクリーンは、このスリットで割れている。
映像は、この3台のカメラが模型の内側をいま映しているものだ。この展示室の模型を映した映像は、この展示室を映した映像かのようにも見えるが、もちろんその映像に、わたしはいない。
3台各がとらえた映像が一定の間隔で入れ替わり、そこに英語と日本語の字幕がそれぞれ左右上部に重ねられている。文字が反転しないためには、2枚のスクリーンに挟まれた中央部ではなく、外側、ベンチのある側から見る。
字幕が語るのは、架空の感染症「予感症」をめぐるせりふ劇のようだ。
隅の暗がりにある仮説テーブルの上に、図面、白い紙、工具が置かれている。
Group Exhibition 'Encounters in Parallel'
11.27.2021-12.26.2021, at ANB Tokyo
curation: Junya Yamamine, Akane Miki
miniature and install support: Hinano Abe, Sumi Araki, Tomoyuki Eguchi, Mio Kawakubo, Tamachans', Yuya Mori, Daiki Muramatsu, Rioha Nishimura, Takayuki Osuka, Takuma Shiozaki, Kotomi Taniguchi
equipment support: Tokyo University of the Arts, Department of Film and New Media
archive photo: Arata Mino