OPEN SITE 5

大岩雄典「バカンス」|Euske Oiwa Vacances

会期|2020年11月21日/土曜/- 12月20日/日曜/

開館時間|11:00-19:00

休館日|11月24日、11月30日、12月7日、12月14日

会場|トーキョーアーツアンドスペース本郷 (東京都文京区本郷2-4-6)

御茶ノ水駅(JR中央線・総武線・東京メトロ丸ノ内線)
水道橋駅(都営地下鉄三田線・JR総武線)
本郷三丁目駅(都営地下鉄大江戸線・東京メトロ丸ノ内線)
各駅より徒歩7分
※会場に駐車場はございませんので、近隣の有料駐車場などをご利用ください。

入場料|無料

主催|公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都現代美術館 トーキョーアーツアンドスペース

URL|www.tokyoartsandspace.jp

「OPEN SITE 5」オープニング・トーク

日時|11月21日 / 土曜 / 16:00-17:00

ゲスト|畠中実(NTTインターコミュニケーション・センター[ICC] 主任学芸員)

入場料|無料

会場定員|16名(予定) 要予約(11/1より受付)

オンライン配信|あり

イベント「大岩雄典と布施琳太郎:インスタレーションや執筆や二人が前提としていることについて」

日時|12月13日 / 日曜 / 17:00-19:00

企画トゥルク|きりとりめでる

司会|福尾匠

登壇|布施琳太郎、大岩雄典

入場料|無料

会場定員|16名(予定) 要予約(11/1より受付)

オンライン配信|あり(予定)

司会に福尾匠を迎え、それぞれの角度から現代美術を超克しようとする大岩雄典と布施琳太郎が、それぞれの執筆、企画、制作、展示について語り合うトークイベント。

新型コロナウイルス感染症の状況により、内容の変更や入場制限を設けることがあります。あらかじめご了承ください。

バカンス。
このバカンスに、解釈を与えなければならない。

そう話しかけられて、ここでも彼に会ってしまったと思う。そう、そう、この声! 眼とちがって、耳は開け閉めの都合がつかない。細身の賢しらなふうの青年の、すこし尊大にわきまえた声が、自然に耳に入ってくる。〔ひどく咳き込む〕

「解釈はいつも、本質的に、読解ではなくて聴取である」

すこし待つと、その引用はジャック・デリダでと青年はいう。書名と訳者、出版年まで丁寧に教えてくれる。手荒さと裏腹な、活喩の几帳面さは、彼の手なみなのだ。何はさておき「聴取……ですか」と相槌をうつ。

バカンス[vacances]は〈何もない〉を意味する。

ええーバカンスって長期休暇のことじゃないんですかと訊くと、予定が何も入っていないのを即ち指しているのだ、という。こうした社交の場面で気の利いた手品のように話すことが、彼の日課だ。

わたしたちにはバカンスがあった。いまもあるようにさえ思う。

口説かれて、情けなく苦笑いを返す。たぶん、こないだ過ごしたホテルのことを話したいのだ。わたしたちのあいだには「何もなかった」し、これからも「何もない」のに。遠回りに話すのは、プレイのうぶな癖。彼はどこからともなく紙を取り出す。すごい手品だ。この紙はやや大ぶりで艶だち、いつも廃棄に困る。開くと……

vacances [仏]:長期休暇。
vacancy[英]:空室;空位;放心;空間;空虚。

耳は何もない空洞だ。外側につうじる、内側の何もない空洞。何もない空間にこそ音が響いて聴取される。わたしたちのだらしなく開けっぱなしの耳に、わたしたちが毎日息を潜めて閉じこもっていたあの部屋に、がらんどうの展示室に。

果てしないバカンスに、声はいかにも自然に[comme naturellement]響いている。わたしたちの耳のなかに〈声〉は遍く反射して、立ち尽くすべき位置に、距離にすべて定立させる。いかにも自然に聞こえたまえ。つまりこの部屋、このバカンスにも、いま………

彼が声を響かせている。

大岩雄典|Euske Oiwaeuskeoiwa.com

1993年生まれ。東京藝術大学大学院映像研究科博士後期課程在籍。美術家。インスタレーションとフィクションを制作・研究。物語論や言語哲学、ヴィデオゲーム研究への関心から、時空間とその経験のもつ形を、美的・哲学的・政治的な問題意識から考え、作品やテクスト、レクチャーなどの形で上演する。

主な展示に、個展「Pleasure」(2015 / トーキョーワンダーサイト渋谷 / TWS-Emerging 2015選出企画)、グループ展「Surfin’」(2017)、二人展「明るい水槽」(2018 / BLOCK HOUSE / 永田康祐と)、個展「スローアクター」(2019 / 駒込倉庫 / 企画構成:砂山太一)、個展「別れ話」(2020 / 北千住BUoY / 岸井大輔企画「形」招聘展示)。主な展示企画に「Emergency Call」(2020 / 電話回線)。

主な受賞に、第4回CAF賞(2017 / 代官山ヒルサイドフォーラム / 現代芸術振興財団)海外渡航費授与賞、第16回芸術評論募集(2019 / 美術出版社)佳作入選。『美術手帖』『ユリイカ』『早稲田文学』などに論考を寄稿。

10月10日から11月8日まで、池袋・雑司が谷のTALION GALLERYにて、グループ展「一番良い考えが浮かぶとき」に参加中。


別れ話 / 2020 / インスタレーション、戯曲、詩、会話 / 写真:屋上


windows / 2020 / ループ映像、二つの怪談


スローアクター / 2019 / インスタレーション、物語 / 写真:野口羊

漫才

キヨスヨネスク|Yonesuku Kiyosu

1992年生まれ。俳優。多摩美術大学演劇舞踊デザイン学科卒業。劇ユニット「humunus」結成。声と身体、風景との関係をテーマに活動。主な出演作に、KUNIO14「水の駅」、円盤に乗る派「清潔でとても明るい場所を」、ホモフィクタス「灰と,灰の灰」、humunus「海足を踏めない」など。

矢野昌幸|Masayuki Yano

1989年生まれ。俳優。山縣太一氏に師事。神奈川県川崎市出身。法政大学社会学部メディア社会学科卒業。主な出演作は『ギニョル』(作・演出・出演:矢野昌幸)、オフィスマウンテン『能を捨てよ体で生きる』(作・演出:山縣太一)、夏の日の本谷有希子『本当の旅』(作・演出:本谷有希子)。

撮影|屋上http://okujoh.space

録音|増田義基

撮影会場協力|北千住BUoYhttp://buoy.or.jp

稽古会場協力|WALLAhttps://walla.jp、屋上、北千住BUoY

音楽

増田義基|Yoshiki Masudayoshikimasuda.com

作曲家・サウンドデザイナー。1996年生まれ。東京藝術大学音楽環境創造科卒業。器楽演奏や合奏、環境音の録音、プログラミングによる電子音響の生成などの手法を組み合わせ、音楽の制作や映像や空間のサウンドデザインを包括的に行う。現在はGATARI.IncにてARでの空間音響表現のプロダクション制作に参加。

家具

高本夏実|Natsumi COMOTOcomotoand.com

1994年京都府生まれ。東京藝術大学デザイン科卒業、同大学院美術研究科デザイン専攻在籍。自然に内在する普遍の価値を主軸に、感情喚起的なツールとしての家具の在り方を模索・造形している。

イベント「大岩雄典と布施琳太郎:インスタレーションや執筆や二人が前提としていることについて」

布施琳太郎|Rintaro Fuserintarofuse.com

アーティスト。1994年生まれ。現在は東京藝術大学大学院映像研究科博士後期課程に在籍。洞窟絵画とiPhoneの発売以降の社会の分析に基づいて、絵画やインスタレーションなどの作品制作、展覧会の企画、運営、キュレーション、そしてテキストの執筆を行っている。近年の企画に「隔離式濃厚接触室」(ウェブページ、2020)など。

福尾匠|Takumi Fukuo

1992年生まれ。現代フランス哲学、批評。著書に『眼がスクリーンになるとき:ゼロから読むドゥルーズ『シネマ』』(フィルムアート社、2018年)がある。

きりとりめでる|Kiritorimederumeta-pan.booth.pm

デジタル写真論、現代美術を中心に執筆、企画。2017年から美術系同人誌「パンのパン」を発行。2018年に『インスタグラムと現代視覚文化論』(ビー・エヌ・エヌ新社)を共訳編著。

大岩雄典|Euske Oiwa